MONOCHROME: A DIALOGUE BETWEEN BURRI, FONTANA, KLEIN, MANZONI, & STINGEL
イタリア人アーティストのアルベルト・ブッリ(Alberto Burri)、ルーチョ・フォンタナ(Lucio Fontana)、ピエロ・マンゾーニ(Piero Manzoni)、フランス人アーティストのイヴ・クライン(Yves Klein)、そして現代アーティストのルドルフ・スティンゲル(Rudolf Stingel)による作品集。2017年にニューヨークの「Nahmad Contemporary」で開催された同名の展覧会にあわせて刊行された。
本書は、20世紀の美術において重要な表現形式のひとつである「モノクローム(単色)」をテーマに、異なる時代を生きた5人の作家の作品を通じて、その多様な可能性を探る。色彩を単純化することで絵画の本質に迫るモノクロームは、単なる色の表現にとどまらず、物質、空間、光、知覚といった要素を問い直す実験的な試みでもあった。
イヴ・クラインは色彩を通じて精神的・空間的な広がりを追求し、ルーチョ・フォンタナはキャンバスに切れ目を入れることで、絵画の平面性を超えた空間の可能性を切り開いた。一方、ピエロ・マンゾーニは色彩や象徴性を排した《Achrome》シリーズを展開し、アルベルト・ブッリは布やプラスチックなど多様な素材と独自の技法によって、絵画の物質的な側面を強調した。こうした先駆的な実践に対し、ルドルフ・スティンゲルは先人たちが築いたモノクロームの歴史を引き継ぎながら、現代的な視点からその意味を再考している。
それぞれ異なるアプローチを比較することで、単色という一見限定的な表現が、いかに多様な思想や視覚体験を生み出してきたかを明らかにする本書。色彩の有無や素材の選択、画面と空間の関係性を手がかりに、絵画の可能性を問い続けた作家たちの実践を辿ることができる。戦後美術から現代美術へと続くモノクローム表現の展開を理解するうえで、示唆に富む一冊。
NAHMAD CONTEMPORARY / 94ページ / ソフトカバー / 254 x 305 mm / 9780990373162 / 2017年