メルボルンを拠点に活動するアーティスト、ケイト・タッカーの作品を「ペインティング」と表現するには、少し単純すぎるかもしれない。タッカーの作品は、緻密なレイヤーで構成され、分断され、再配列されている。

タッカーのペインティングは、アクリルのメディウム、布の断片、キャンバス、リネン、厚紙、そして土器や釉薬のかかったセラミックの支持体によって描かれ、同時に台座、版画、コラージュ、彫刻、インスタレーション、フレームでもある。それらは無限に重なり合う星座であり、ありえないほど至近距離で衝突し、調和する。

ここでは、絵を描くという行為は、作品の表面ではなく、スラブのような下地の中に組み込まれている。美術史家で作家のヘレン・ヒューズが言うように、タッカーの作品の「メイン・イベント」は、脇役であるはずのキャストとの「せめぎ合い」である。タッカーが構成し、解体し、再構築するこれらの絵画は、彼女のかつてのデザイナーとしての人生を指し示すような巧みなグラフィック・リテラシーを持ちながら、実践的なスタジオでの生々しい不完全さを響かせている。

タッカーにとって初の作品集となる本書は、その絶え間ない進化を指し示す1冊となった。

Perimeter Editions / 256ページ / ソフトカバー / 240 x 170 mm / 9781922545244 / 2024年