20世紀を代表する建築家・デザイナーの一人、アルネ・ヤコブセンの世界を探る一冊。

デンマークの建築家アルネ・ヤコブセン（1902〜1971）は、国内外で高く評価されている。象徴的な椅子のデザインで知られる一方、写真家や画家としても活動し、芸術界に深く関わりながら、建築の新たな発想や手法を見出していった。

本書は、ヤコブセンの人生と作品に関するこれまでで最も包括的な記録であり、彼の知られざる側面に光をあてる。芸術が彼の職業的・私生活において重要な役割を果たしたことを明らかにし、戦後ヨーロッパの前衛芸術シーンの中心に彼を位置づけている。

従来の「モダニズムの破壊者」というイメージに異議を唱え、素材と緊密に向き合いながら既存の美学を変革した創造的な革新者としてのヤコブセン像を提示する。また、デンマークおよび北欧の福祉美学の形成に果たした重要な役割も掘り下げる。

美しいデザインの本書には、ヤコブセンの代表作からあまり知られていない作品まで、椅子やテキスタイルデザイン、水彩画、照明器具、建築模型などが収録されているほか、彼の私的な写真やデザインの未公開写真も多数掲載している。

Yale / 260ページ / ハードカバー / 314 x 244 mm / 9788775972906 / 2024年