a+u 2023年11月号 特集:石上純也 最初から現在まで
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『a+u』11月号は石上純也のモノグラフである。石上は2003年にレストランのためのテーブルでそのキャリアをスタートさせる。本号では、そこを起点に、これまで完成したプロジェクトから世界中で進行中のプロジェクトまで29を紹介する。文字通り「最初から現在まで」である。このモノグラフの編集にあたり考えたのは、石上という建築家のすべてを、現在の視点に立って見通してみると、何が見えてくるかである。石上の建築は、常にあらゆる既存概念をとり払い、現代の多様な価値観の中で生きる人、複雑さが増し続ける社会のための建築とはどのようなものかを追い続け、突き詰める。そのプロセスは極めて論理的であり、歴史・環境・素材・機能・使い手などによって見出されるコンテクストを、それぞれの本質に立ち返って考え抜くことが土台になっている。だから、石上がその時々で何を思考し、なぜその時そこにその建築を見出したかを見ていくと、建築とは何かという根源に触れることになると考えた。そのため、本号は竣工した順番ではなく、各プロジェクトを石上が思考し始めた順に掲載する。そしてそこに付されるすべての文章を、石上が現在から当時を振り返り、その時なぜその思考に至ったか、本号のために書き下ろした。それは29の説明文ではなく、俯瞰的思考としてすべてが関係し合いひとつの流れをつくりだす。この流れの先にどんな可能性が開かれていくのか、その希望をもって、石上の建築の思考を追体験いただきたい。
エーアンドユー / 208ページ / ソフトカバー / 219x292mm / 4910019731139 / 2023年