a+u 2022年6月号 特集:クリスチャン・ケレツ
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『a+u』6月号はスイスの建築家クリスチャン・ケレツによる「インシデンタル・スペース」連作を特集する。装飾的空間のもつ生成装置としての可能性をはかろうとしたケレツの試みに続くものとして、この「インシデンタル・スペース(偶発的空間)」は空間を考え・定義する行為のさらなる解放と精製を追求する。本特集にはケレツによる2本の論稿を掲載した。一本では、物語の空間・流動的空間・霧化された空間などの概念が編纂される。もう一本の論稿でケレツは、バロックの建築家フランチェスコ・ボッロミーニの代表作における自身の体験を考究・記録することで「建築媒体を言語媒体へ翻訳する」。本特集では作品数を絞り、実作3作・計画案3作を紹介した。そして作品コンセプトの検討から、最終形態、そして空間体験に至るまで、スケッチ・図面・模型などを媒体とし各作品の生成過程を網羅的に記録する。ケレツのとる建築への探究が線形であることは決してなく、常に研究・実験の体を成す。これら作品は、偶発のもたらす戯れのうちに、空間が創出される--見出されるのみならず、厳密につくりだされるさまを示している。 (編)
マニフェスト
クリスチャン・ケレツ
バーレーン王国館
北京文化センター
ポルト・セグーロ・ソーシャル・ハウジング(パライゾポリス・プログラム)
オカムラ邸
エッセイ:
フランチェスコ・ボッロミーニ、空間の叙述
クリスチャン・ケレツ
「インシデンタル・スペース」(スイス館)
広州美術館
エッセイ:
空間の定義
クリスチャン・ケレツ