a+u 2021年1月号 特集: バイシクル・アーバニズム ──新しいモビリティと変化する都市 サンフランシスコ、ニューヨーク、チューリッヒ、東京ー)
人と車の移動を中心に計画された都市がいま、変わりはじめている。
特に近年、スモール・モビリティをはじめ移動手段は多様化しつつある。一方で、20世紀的な都市構造へ組み込むには、多くの課題も抱えている。
本号では自転車に着目する。自転車はまさにスモール・モビリティを代表する移動手段で、世界中で人の生活に深く根づいている。そしてやはり、これまでの都市計画に組み込まれず、十分にその可能性が発揮されていない。
ゲスト・エディターの千葉学氏は、イントロダクションで、自転車の「ニッチ」(隙間を埋める役割)を考えることは、これまでの都市構造を読み換えるきっかけになると述べている。「バイシクル・アーバニズム」はこれからの都市とモビリティを考える端緒になるのではないだろうか。
今回、4都市から5事務所が参画し、各都市での「バイシクル・アーバニズム」について提案しているほか、冒頭ではコペンハーゲンなどすでに導入が進んでいる都市の事例も収録している。 (編)
イントロダクション:バイシクル・アーバニズム──生態学的都市計画に向けて 千葉学
エッセイ:サイクリングは最高だ キース・クリスチャンセ
変化する都市
コペンハーゲン、ノアポート駅/ユトレヒト、ユトレヒト駐輪場/バルセロナ、サン・ジョアン大通り(第1期)/マドリード、マドリード・リオ /厦門、厦門自転車スカイウェイ /リンブルフ、サイクリング・スルー・ウォーター /リンブルフ、サイクリング・スルー・ザ・ツリーズ/中国、シェア・レディー・ビートル/アムステルダム、移動式ポップアップ型自転車駐輪場/ニューヨーク、「都市のサイクリング、200年の歴史」展/フランクフルト、「自転車に乗ろう! 都市をとり戻そう!」展
エッセイ:オランダにおける「自転車アーバニズム」とは? ステファン・ベンディックス
サンフランシスコ
ジョン・ベラ、クリストファー・リーヴス ゲール
サンフランシスコ自転車文化小史──主な出来事
マーケット・ストリートでの新たな自転車文化の確立──サンフランシスコで最も混雑する交通のコリドール
サンフランシスコにおけるヒューマン・パワー・モビリティの大胆なヴィジョン:マイクロモビリティ──スケートボード、eスクーター、eバイクなどの乗り物と拡充された自転車文化──を含めて
ニューヨークⅠ
グラシ・ミルズ、ラファエル・ラウデ、アダム・ルビンスキー WXYスタジオ
銀輪のニューヨーク──歴史素描
平等なアクセスを目指して:島外の地区に有用なインフラストラクチュアとは何か?
ブルックリン=クイーンズ・サイクルウェイ(BQC):島外区のためのインフラストラクチュアの再生
いつサイクリングがニューヨーク市の歴史に組み込まれたのか?/ニューヨークのサイクリング・コミュニティ
の声/BQC上のローカル・ストップ:ブルックリン、サンセット・パーク
ニューヨークⅡ
トラヴィス・バント、マシュー・シュタウト ワン・アーキテクチュア・アンド・アーバニズム
グリッドとグリーンウェイ:気候変動時代のニューヨークの交通コリドール再考
クロスタウン・グリーンウェイ:マンハッタンの新たな道路形式のプロトタイプ
トライボロー・コリドール:新たな自転車用スーパーハイウェイのプロトタイプ
チューリッヒ
キース・クリスチャンセ、ジョリス・イェーレ KCAPアーキテクツ・アンド・プランナーズ
三輪車とホワイトバイクに乗って
ネットワークを完成させる
障害物の位置をつきとめる/通りの配置を再構成する/オイローパアレー/サイクリング・トンネル/都会の遊歩道/自転車道/サイクリング・ブリッジ
東京
千葉学建築計画事務所、東京大学千葉学研究室
30m Heaven/生き生きとした駐輪の風景/Weekend Void /バイシクル・バックレーン/バイシクル・ハイウェイ、リーフ・ラック/ビルクライム
コラム:ポタリング牡鹿
モビリティと都市へのとり組み
ラファ/都営交通 /公共デザイン研究所 /PTV Group