ハンス・ウェグナーの洗練された椅子のデザインは、ミッドセンチュリーモダンスタイルの典型として世界中で愛され、模倣されているが、彼の見事な水彩画を知る人は少ない。ウェグナーはしばしば、工房で描いた図面を水彩画で仕上げている。木工も水彩画も、ニューメディア時代には伝統的なものと見なされつつあったが、ウェグナーの芸術家としての気質は、完璧な椅子を探求する中で、この2つの媒体を境界を破るような効果で使いこなした。

本書では、ハンス・ウェグナーの水彩画をテーマ別に紹介し、彼のデザインスタジオの芸術的側面を掘り下げている。彼の代表的なチェアモデルのイラストだけでなく、照明器具や部屋のデザインにもスポットを当てている。水彩画の解説は、デンマークのウェグナー美術館の館長であり、2014年の生誕100周年を記念してウェグナーの伝記を執筆したアン・ブロンドが担当している。フィン・ユールによる水彩画のファンには、この愛すべきデンマーク人デザイナーによる美しく複雑なイラストが気に入ることだろう。

STRANDBERG PUBLISHING / 192 ページ / ハードカバー / 279 x 242 mm / 9788794102568 / 2024年