ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレがカルタゴに建てた「Villa Baizeau」を多角的に紹介する書籍。
21世紀に入り、社会・経済・環境・気候などの問題によって建築のあり方そのものが問い直されるなか、本書はこの住宅を再評価する試みとして編まれている。

内容は二つの視点で構成。第一の視点では、ヴィラ・ベゾーの歴史をたどり、その設計の背景や理論的意義、施主の役割、そして家族に与えた豊かな時間を紹介。20世紀建築の重要作を修復・継承するために必要な知見を提示する。
第二の視点では、現代の建築家たちの議論を通じて、この住宅の新たな可能性を探る。コルビュジエ自身がかつて行ったように、図面や写真を操作しながら作品を再解釈することで、歴史と現代建築をつなぐ対話が生み出されている。

過去と現在を結び、ル・コルビュジエの理論的ビジョンに新たな光を当てる一冊となっている。

Accattone / 456ページ / ソフトカバー / 290 x 215 mm / 9782960253078 / 2024年