スペイン人アーティストであり、近代美術史上欠くことのできない人物であるパブロ・ピカソ（Pablo Picasso）の作品集。2022年10月から12月にかけてロサンゼルスの「ハマー美術館（Hammer Museum）」で開催された展覧会に伴い刊行された。この展覧会は、1899年に作者が9歳で描いた最初の切り絵から80代で制作した1960年代の作品まで、作者の全キャリアを網羅し、金属、木、陶器の彫刻作品とともに、最も風変わりで好奇心をそそる紙作品が展示された。作者は生前、切り絵もしくはパピエ・コレ（フランス語：papiers découpés）を販売・展示したりすることはほとんどなかったが、他の作品と同様にサイン、日付、アーカイブを施した。それらは、家族のため、あるいはモデルという「制作者」のために作られた、よりプライベートなアトリエでの活動の一部であった。

本書は、作者の切り絵に焦点を当てた初めての作品集であり、多くの作品が新たに撮影され、20世紀を代表する芸術の一つである切り絵の知られざる側面に関する新しい研究成果である。また同時に、モダンアートの根底にある革新と抽象をめぐる現在進行中の議論に対して貢献しているとも言える1冊である。作者の切り紙と彫刻の関わりを数十年にわたり概観しており、スタジオ内外で紙を切る練習を記録した写真セクションも掲載する。

（ディストリビューターのテキストより）

Delmonico / 256ページ / ハードカバー / 220 x 257 mm / 9781636810232 / 2022年