Lina Bo Bardi | HABITAT
ブラジルの歴史において最も重要な建築家の一人であるイタリア人建築家、リナ・ボ・バルディ(Lina Bo Bardi)の作品集。2019年に「サンパウロ美術館(Museu de Arte de São Paulo)」で開催された展覧会に伴い刊行された。本書は作者の美学と芸術、建築に対するアプローチを見ることができ、多方面に渡る作品を豊富な図版で紹介している。
ローマで建築家ジオ・ポンティ(Gio Ponti)のもと、モダニズム建築家としてキャリアをスタートさせた作者は、第二次世界大戦終了後、サンパウロ美術館の立ち上げのため招致されたアートディーラーの夫ピエトロ・マリア・バルディ(Pietro Maria Bardi)とともにブラジルに移住。ブラジルの文化に根ざしたモダニズム建築を発表した。1951年、最初の作品である自邸「ガラスの家(Casa de Vidro)」を設計し、夫とともに生涯を過ごすこととなる。また、1968年に開館したラテンアメリカのモダニズム建築の代表作である「サンパウロ美術館」の設計も担当。この美術館のために、ガラス製イーゼルの展示システムを作り上げ、現在でもその先鋭性は失われていない。
本書では、作者の展示デザイン、キュレーション・プロジェクト、執筆活動がどのように空間デザインに影響を与えたかを包括的に明らかにする。そのキャリアと作品に関するエッセイが、デザインスケッチや著作などのアーカイブ資料とともに掲載されており、クリエイターであり先鋭的な思想家でもある作者のプロジェクトの背景にある概念的・物質的プロセスについて新しい洞察を与える。
Prestel Publishing / 352ページ / ハードカバー / 280 x 205 mm / 9783791359649 / 2020年