Dominique Nabokov | New York Living Rooms
アメリカとフランスを拠点に活動するフォトグラファー、ドミニク・ナバコフ(Dominique Nabokov)の作品集。本作は、作者による「LIVING ROOMS」シリーズ三部作の第一弾として、アメリカの出版社「ABRAMS」が1998年に初版を刊行。20年以上の時を経て、今回復刻版として「APARTAMENTO」より再版された。1995年に「New Yorker」誌にフォトエッセイとして掲載されていた本シリーズは、作家のスーザン・ソンタグ(Susan Sontag)、小説家のノーマン・メイラー(Norman Mailer)、アーティストのルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)やフランチェスコ・クレメンテ.(Francesco Clemente)、詩人のアレン・ギンズバーグ(Allen Ginsberg)、小説家でありエッセイストのジョーン・ディディオン(Joan Didion)など、ニューヨーカーの中でも伝説的であると言える面々の居住空間を、親密さも交えながらありのままの形で写し出している。特段手を加えず演出も足さないこの写真を作者はインテリア「ポートレイト」と呼ぶ。贅沢で派手な部屋もあれば、必要最低限のものしか置かれていない部屋もある。作者はのぞき見が大好きな仲間たちのためにまずはそのすべてをシンプルにそのまま記録し、あとは我々にその解釈を委ねた。長らく絶版となっていた本作は、作者によって撮影されたオリジナルのポラロイド写真と、初版にも掲載されていたイギリス人詩人のジェームズ・フェントン(James Fenton)による序文を収録、当時のニューヨークの一時代を鮮やかに蘇らせている。本書に続き、今後『PARIS LIVING ROOMS』(2002, ASSOULINE)、『BERLIN LIVING ROOMS』(2019, APARTAMENTO)それぞれの復刊が予定されている。