Rome – Las Vegas | Iwan Baan
¥9,460
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二つの都市「ローマ」と「ラスベガス」は、建築が象徴するものの両極端に位置すると考えられる。かつてローマ帝国の首都だったローマは、「古代」「正統」「永遠」といったイメージで捉えられる一方、ラスベガスは、「派手」「下品」「偽物」といった言葉で語られることが多い。しかし、両都市は歴史的にも現代的にも、「権力」と「遊び」が交差する場であるという共通点を持っている。
この写真集は、デニース・スコット・ブラウンとロバート・ヴェンチューリによる建築批評の古典的名著『ラスベガスから学ぶこと(LEARNING FROM LASVEGAS)』(1972年)の刊行から50年を経て発表された。イワン・バーンの写真は、空撮から地上風景に至るまで、両都市の空気感を捉え、意外な類似性を浮き彫りにし、ローマの街角にラスベガス的な過剰さを再発見する。
バーンの写真は、「本物」と「偽物」という一般的な認識を対比させ、転覆させながら、こうした二項対立そのものに疑問を投げかけている。その写真の対話は、ロバート・ヴェンチューリとデニス・スコット・ブラウンの「まず見て、理解し、それから判断せよ(first look, understand and only then judge)」という提言に応えるものである。
この作品は、2024年のDAM Architectural Book Awardのショートリストにも選ばれている。
Lars Müller Publishers / 320ページ / ソフトカバー / 227 x 170 mm / 9783037787533 / 2024年