豊富な図版を収めた本書は、アイザック・ジュリアン（Isaac Julien）による没入型マルチスクリーン映像インスタレーション『Lina Bo Bardi - A Marvellous Entanglement』（2019年）を記録したアーティストブックである。

ブラジル・モダニズム建築の旗手、リナ・ボ・バルディ（1914〜1992）の詩的な肖像を描き出す本作は、9画面に展開するインスタレーションを通じて、彼女の人生、作品、そして遺産を探求する。ボ・バルディの言葉「時間は直線ではなく、驚くべき絡み合いである」を体現し、彼女の個人的な歴史は彼女が設計した建築物の持続的な生命と絡み合っている。

本作品は、アカデミー賞にノミネートされた女優フェルナンダ・モンテネグロ（Fernanda Montenegro）とカンヌ受賞女優の娘フェルナンダ・トーレス（Fernanda Torres）によるパフォーマンス、Zebrinhaが振り付け、「Balé Folclórico da Bahia」によるダンス、そしてアート集団「Araká」によるパフォーマンスなど、多彩な創造的・批評的表現を内包する。

本書はジュリアンの関連作品の豊富なアーカイブ資料と画像に加え、ジュリアーナ・ブルーノ（Giuliana Bruno）による論考、キュレーター兼研究者のマーク・ナッシュ（Mark Nash）によるプロジェクト舞台裏の記録、ジュリアンと「Araká」メンバーによる対話を収録している。

Yale / 260ページ / ハードカバー / 235 x 330 mm / 9780300279702 / 2025年