a+u 2021年8月号 特集:ネーニア・プロジェクト -スミルハン・ラディック
『a+u』8月号はチリ人建築家のスミルハン・ラディックを特集する。モノグラフ冒頭から始まるラディック自身による回顧録「ネーニア・プロジェクト」はラディックの建築にたいする希求のもととなる、過去と未来へと向けられた並外れた想像力を明らかにする。「ネーニア・プロジェクト」はほかのものに託した声明やラディカル・アーキテクチュアの創作物の集積である。ラディックはこれらを通して「破壊的な芸術の手法」と「物質的な作品のための楽譜」を手に入れた。誌面からはラディックの、フレディ・フィッシュリとニールス・オルセン曰く「コンセプト的なアプローチ」の背後にある謎を読み解くことができる。西沢立衛がエッセイで述べているように、ラディックの「建築は意味から自由になっている」、「またはその状態を目指している」といえるのかもしれない。彫刻から建物まで、2010年から2021年に創作された25作品を、ラディック自身によるコンセプト図や絵画とともに紹介。これらの全体性からは、西沢のいう、次々と足されてゆく想像力や希求から生まれる「時間的な順序」を見出すことができる。(編)
ネーニア・プロジェクト
直角の詩に捧ぐ家/葉の庭
サンティアゴ・テレコミュニケーション・タワー
フラジャイル、ワイングラスの塔
造形
魚に隠れた少年、卵に隠れた少年、わがままな大男の城、グリフォン、
キューピー、マイ・ファースト・タワー、在宅死、膨れた身体
フォリー、サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン
聖十字架礼拝堂
ジャイアント・ソファ・ルーム
マ(ラ)ケータ・シェルター
セリーヌ・パヴィリオン
プリズム・ハウス+ルーム/テラス
チリ館
チャンチェラ
ナーベ
ビオビオ市民劇場
ハウス・オブ・アレキサンダー・マックイーン
新サンティアゴ美術館(NUMU)
ホテルSOLO
ペルーの秘密の家
しずく
エッセイ:
建築に反する建築なのか?
フレディ・フィッシュリ、ニールス・オルセン
エッセイ:
スミルハン・ラディックの建築
西沢立衛