a+u 2021年2月号 特集:E2A ──大局への方法論
『a+u』2月号はスイスのチューリッヒを本拠地とする建築事務所E2Aを特集する。
兄弟であるピートとヴィムの2人のエッカート(Eckert)による建築事務所(Architects)を意味するE2Aは、2001年にスタートした。
E2Aの建築は、力強いトラス構造や明確な縦と横のラインが見る者の目を支配する、迷いのないデザインを有している。これは、E2Aのステイトメントに象徴的に説明されているように、建築に求められる多様な機能、プログラム、 野望や希望、敷地の制約や条件によってもたらされる矛盾を解決し、最終的に建築というかたちに落とし込む作業の結果なのである。
彼らは明確な戦略をもち、方法論を見出すが、同時に弾力性を失ってはいけないことを意識している。これらの先に導きだされた解、つまり建築、は簡潔で分かりやすい。あたかもそのような矛盾やややこしい事情を解きほぐそうとする格闘などなかったかのように。そのことは、彼らの作品が、一見するとその勢いに圧倒されそうだが、押しつけがましくない力強さのあるな建築である所以だろう。
さらに、模型はコンペの提出物の中に当たり前のように求められるものの一つであるが、E2Aの模型写真はすでにアートの域に達しており、その完成度の高さは特筆すべきことである。基本コンセプトおよびストラテジーを体現する模型は、設計プロセスにおいてプラン・イメージとともに三つで重要な役割を担っている。
本特集では、各作品頁の冒頭で模型がコンセプトを示し、それがどのように建築へと導かれていくのかが解明されている。(ゲスト・エディター、福田陽子)
鼎談:
マーク・リー、ピート・エッカート、ヴィム・エッカート
エッセイ:
プラン──画像──模型
ブレーメン大学、講堂および会議センター
垂直のガーデン・シティ
フートマッハー・ハウス、ツェントルム・アム・ツー
SRFネクスト(スイス・ラジオ・テレビ局)
アトリエ
リートパークのガイストリッヒ集合住宅
ダブル・スポーツ・ホール
360度、山頂ヴィビジター・センター
TAZ誌新社屋
ホーファッカー・スクール
メンドリジオ建築アカデミーのアトリエ
火葬場
ハウスB
キャンパス・モース、中等学校
ディーコンリー・ベタニエン
オイローパアレー、バウフェルトH
エッシャーパーク・アパートメント
聴覚言語センター
講堂と図書館
ユニホフのトレーニング・スポーツ施設
テラス・ハウス
タイプ・ハウス
エッセイ:
E2Aの設計戦略
クリスチャン・ズミ