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some ( sarajevo ) - 都市へのまなざしサンプル帳 vol.1

¥2,500
Tax included.

都市はさまざまなものの関係性でできている。都市を体験することは、都市の要素と要素、あるいはそれらと自分を関係づけていく行為であるとも言える。断片的なイメージをつなぎ、総体としての都市を捉えようとする。本書はその無数のまなざしの一つを「都市のサンプル帳」として制作されている。
第一弾となる some ( sarajevo )は、2023年8月に旅したボスニア・ヘルツェゴビナ、サラエボの体験を記述する試みである。

サラエボ的なもの

サラエボは民族的・宗教的多様性で知られており、何世紀にも渡りイスラム教、正教会、カトリック教会、ユダヤ教が共存し、宗教間の結婚も当たり前であった。しかし1990年代、東欧民主化の動きが派生し、旧ユーゴスラビアに民族主義が台頭する。サラエボの共生社会も、1992-1995年のボスニア紛争による分断を経験した。
現地を訪れるまでは「紛争のあった街」というごく断片的な知識のもと、どこか暗い雰囲気の漂う街を想像していた。実際にサラエボの旧市街を歩いてみると、モスクがあると思えば教会があり、銃痕があると思えば活気があり…紛争のあった痕跡も確かにそこにありながら、ヨーロッパやアジアの雰囲気が混ざり合ったような街並みの新鮮さ、軒下空間や中庭などの豊かな空間で感じた人々の活気、そのどれもが「some sarajevo」= 「サラエボ的なもの」として印象に残った。

都市へのまなざし

この本では断片の集合から総体を捉えていくような都市の体験の記述を試み、本自体の形式も断片的な写真カードを束ねた「サンプル帳」の形式を採用している。それぞれの写真は私たちが「サラエボ的なもの」と感じた場面である。それらをテキストによって整理するのではなく、写真と写真をしりとりのように線でつなぎ、私たちが経験したサラエボをできるだけ経験したままに綴じようとした。
整理や単純化によって世界を認識しようとする私たちにとって、複雑なものを複雑なまま、断片を断片のまま捉えることは容易ではない。それでもできる限り世界をありのままに捉えようと努めるとき、その限界ゆえに無数の見え方があることに気がつく。
バインダーのネジは着脱可能。街を体験するようにカードを並べ変えれば、別の「サラエボ的なもの」やそのつながりが立ち現れるかもしれない。

some ( )

some(one), some(thing), some(time), some(where), some(how)......
someoneという言葉が「誰か」と共に「重要な人物」という意味も持つように、some ( ) は、何気ないようで誰かにとっては特別な何かを考える・つくるコレクティブである。共同主宰の森本芽衣と宮武壮太郎は、ともに日本と北欧で都市・建築デザインを学び、現在は建築設計など実務活動を通して、文化的・社会的・環境的な持続可能性を考えている。

大学時代の恩師、旧ユーゴスラビア出身のダルコ・ラドヴィッチ氏の故郷を訪ねる旅の途中、サラエボに出会った。

[著者公式ウェブサイトより]


45ページ / ハードカバー / 105 x 74 mm / 2024年

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