芸術研究家マルティン・ツォル（DE）の仕事の大部分は、草原、森、山を歩くことである。ここで彼は、人間の領域をはるかに超えた相互関係の網に遭遇する。この網の目には、多種多様な生物、物質、プロセスが生息しており、それらは相互に依存し合い、絶え間なく変化している。私たちの現象的知覚の周縁に位置するこうした他の存在に積極的に目を向けることで、人間と人間以外の領域との対応が展開し始める。その過程で、合理と非合理、生命と非生命、芸術と自然といった一見相反するものが収斂する位置が現れる。

ツォルの写真は、自然の静かな断片を、私たちとは異なるものであると同時に、同じ存在論的基盤に由来するものとして認識させる。この写真集に収められた神秘的なオブジェの数々は、今にも命が吹き込まれそうで、私たちに温かいつながりを感じさせてくれる。

The Eriskay Connection / 240ページ / ハードカバー / 310 x 230 mm /  9789083357157 / 2024年