『JA90』は堀部安嗣を特集します。堀部は、1994年以来住宅を中心に、数式にも似た明快な空間と、美しい佇まいを持つ建築を多数生み出してきた建築家です。その建築は、人の生活をひとつひとつていねいに拾い上げたものであり、確かなディテールと風景に馴染む立ち姿を併せ持ちます。本号では、そんなイメージの先にある、堀部建築の本質に迫ることを試みました。デビュー作から最新までの27作品を、手書きの図面やスケッチと共に見通します。また、挿入された5つのエッセイは、建築家がいかなるものを見つめ、栄養とし、それをいかに建築として昇華させていったかを示しています。人間の生の営みを受け止める器としての建築のあり方を真摯に追求する姿勢を見て頂きます。

新建築社 / 152ページ / ソフトカバー / 297 x 226 mm / 2013年