アール・デコのダイヤモンド・ブレスレット、スターリングシルバーのベリーバスケット、自由の女神のオープニングへの招待状、ダイヤモンド・ネックレスにセットされた128.54カラットのティファニー・ダイヤモンドなど、『ティファニー・アーカイブス』には何百点もの宝石、オブジェ、エフェメラが掲載されている。卓越した傑作の数々は、まさに創始者チャールズ・ルイス・ティファニーが本書に望んだものだろう。ティファニー アーカイブス』のコンセプトはシンプルで、ティファニーが所蔵するアーカイブのなかから、これまで目にしたことも、写真に収められたこともないものを厳選し、ティファニーにまつわる壮大なストーリーを発見してもらおうというもの。2年の歳月をかけて制作されたこのプロジェクトは、ティファニーが一世を風靡するまでのストーリー、初期のダイヤモンドの卓越した技術、そしてシルバーにおける卓越した職人技の軌跡をたどるもの。本書には、1961年の映画『ティファニーで朝食を』や、最古のティファニー・ブルーボックスの展示など、大衆文化とのさまざまなつながりが盛り込まれている。無生物に魂を吹き込む才能で知られるヘンリー・ロイトワイラーは、ティファニーの見事な歴史的オブジェの数々に思慮深くレンズを向けた。年代や階層にとらわれない現代的な展示は、ティファニーの豊かな遺産を象徴する数々の宝物の新たな解釈と鑑賞を誘う。

Steidl / 280ページ / ハードカバー / 203 x 300 mm / 9783969992548 / 2023年