持続可能なデザインのパイオニアであるフィンランドの著名な建築家アイノ、エリッサ、アルヴァ・アアルトは、その建築物、デザインに対する人間的なアプローチ、革新的な素材の使用によって、世界中の何世代もの建築家やデザイナーに影響を与えてきた。

同名の展覧会に合わせて出版されたこのカタログは、ジョセフ・グリマが「建物とデザインが、自然やそこに住む人々とどのように完璧に調和しながら共存しているのかの物語」と記しているように、デザインだけでなく、アアルト夫妻のヴィジョンの哲学を紹介している。

本書は、テキストと魅惑的な図像装置を通して、スタジオ・アアルトが実現した12のプロジェクトの構想と生涯を、主人公たちのプロとしてのキャリアの全年度を通して追っている。展覧会を機に写真家ラマク・ファゼルに委ねられた画像によるナレーションは、建築家たちの仕事に対する独自の視点を取り戻し、日常と非日常の次元が共存し対話する、多様な物語を創り出すことを可能にした。

本書では、ガラス作品、ランプ、テキスタイル、家具など、低コストの大量生産のために考案され、現在も生産が続けられているデザイン・オブジェクトについても、テーマごとに細分化して解説している。このスタジオの活動の再読は、建築、アート、デザインが共存し、人間という中心にある一体の不可分の部分を表しているという、アアルトの仕事の核心を明らかにする。

Thomas Eyck / 192 ページ / ソフトカバー / 237 × 150mm / 9788822922168 / 2024年