a+u 2022年11月号 特集:ベルリン
『a+u』11月号はベルリンにおける最新の建築活動を特集する。ベルリンの壁崩壊から32年、壁が立っていた期間をも超えた時が経ち、この都市は正常(ノーマル)化ともいうべく局面にある。再統一直後のベルリンに漂っていた多幸感は消え、ここにきてまったく異なるジャンル・スタイル・価値観をもち合わせた建築が立ってきた。美術館島に代表されるような大規模なとり組みによって歴史的記念碑に光が当てられている一方で、「正常(ノーマル)」へと向かうこの動き自体は、フロリアン・ヘルトヴェックが述べるように、ベルリンの「空洞化や細分化や重複の起きた、異常な(アブノーマル)」状況に端を発している。ベルリンは若くリスクを恐れないクリエイターを多く惹きつける文化中心となり、分野横断型の実験と協働の場となった。また、自主的な建設グループが集まり、見捨てられていた都市の隙間によく練られた建設手法を組み合わせることでデザイン性に優れ安価な住宅をつくりだしてもいる。
『a+u』16:08では、シンケルから再統合後の建設ブームまでベルリンのランドマークの多くを網羅したのにたいし、本特集は14作品を掲載、新博物館の改修から旧東ベルリンの食料品店跡を改造した住宅まで、非凡な歴史をもつこの都市の新たな章を代表すべく作品を紹介する。また、掲載論考はそれぞれ美術館島、シンケルプラッツ、テンペルホーフ空港などをとり上げ、この複雑で困難に満ちた変容の道筋を描きだしている。(編)
OMA
アクセル・シュプリンガー・キャンパス
フローティング・登記社団スペース・グループ
フローティング・ベルリン
ブランドルーバー+エムデ、バーロン、マック・ペツェット
テラッセンハウス
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツ
ジェームズ・サイモン・ギャラリー
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツ、ジュリアン・ハラップと協働
新博物館
トランスフォーメーション:
美術館島
バリー・バーグドール
シンケルプラッツ
ラファエル・モネオ
クルトゥールフォーラム
テンペルホーフ100年
アルフレッド・ティアマン
エッセイ:
ベルリン──空中楼閣から創造的メトロポリスへ
フロリアン・ヘルトヴェック
タニヤ・リンケ・アルキテクテン
シュプレー川沿いの住宅
オーガスティンウントフランク/ヴィンクラー・アルキテクテン
スーパーマーケット
フィールデン・クレッグ・ブラッドリー・スタジオ、ホイドン・ワン・パートナー
シュプレーハレ
バーコウ・ライビンガー
プレンツラウアー・ベルクのアパートメント
ザウアーブルッフ・ハットン
ハウス6
エッセイ:
バウグルッペン──メイド・フォー・ベルリン
バーバラ・ホイドン
FAR フロウン&ロハス
ウォンリーガル
EM2Nアルキテクテン
ブリエシュトラーセの新集合住宅
ジューン14 メイヤー=グローブルッグ+シャーメイエフ
クルフュルステンシュトラーセ建設グループ
デッドライン・アルキテクテン
フリズ23
エッセイ:
ベルリン──批判的再建から大衆的再建へ
ヴィルフリート・ワン